中沢啓治作 まんが 『はだしのゲン』 翻訳出版グループ | ![]() |
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定非営利活動法人「『はだしのゲン』をひろめる会」 設立趣意書 第2次世界大戦末期、日本が人類初の核兵器である原子爆弾の恐怖を体験して以来、67年が過ぎました。20数万人もの犠牲者に加えて、今なお多くの被爆者は放射線障害の後遺症や社会的差別に苦しんでいます。国連総会や赤十字国際委員会は核兵器の非人道性を認め、国際的に核兵器禁止条約等の締結を求める動きが広がっています。しかし地球上には依然として19,000発を超える核弾頭があり、人類の生存に脅威を与えています。 唯一の被爆国日本に生まれ育った私たちは、再び被爆者をつくらないため、あらゆる手段を使って世界中の人々に核兵器の非人道性を伝えなければなりません。これまで被爆者のみなさんが国内外で被爆の実相を証言してきましたが、高齢化を迎える中で若い世代への活動の引継ぎが急務となっています。その意味で核兵器の残酷さと平和の大切さを描いた漫画『はだしのゲン』(中沢啓治作/全10巻)の果たす役割は大きいといえます。この作品は1973年から週刊『少年ジャンプ』に掲載され、大きな反響をよびました。その後単行本となり、全国ほとんどの小学校の図書室に収められ、たくさんの子どもたちに読み継がれています。『はだしのゲン』は金沢のボランティアグループ「プロジュクト・ゲン」が翻訳した英語版、ロシア語版をはじめ、海外の多くの人々により現在約20ヶ国語で出版されています。 私たちは、思想・信条・民族・国境を越えて語りかけるゲンの平和のメッセージを国内はもちろん世界中の若者や子どもたちに届けることを目的として「『はだしのゲン』をひろめる会」を設立します。 ゲンがはだしで5大陸をかけめぐり自らの被爆体験を語りかけるとき、読者はゲンを通して被爆の実相を理解し、苦境のなかユーモアを忘れず、たくましく生き抜くゲンに共感することでしょう。ゲンの物語に耳を傾ける若者が多くなればなるほど、私たちは未来に核兵器廃絶への希望を見出すことができます。 私たちは、核兵器廃絶の願いをになって今日もはだしで世界をかけめぐるゲンの旅が、多くの実りをもたらすことを念じて『はだしのゲン』を国内外にひろめることに尽力します。 2012年12月9日 設立代表者 浅妻南海江 |