中沢啓治作まんが『はだしのゲン』 翻訳出版グループ
はだしのゲン

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読 者 か ら の 手 紙

 2007年6月5日
親愛なる中沢先生へ
  
 私はS高校の高校生です。私は“はだしのゲン” 4巻(広島〜灰の中から)を読み終えたところです。私は主人公ゲンの勇気に驚きました。彼は気前が良く正直な素晴らしい少年です。彼は少年の純粋さを表しています。闘い、叫び、泣きます。しかし彼は強く、原爆の恐ろしい経験との向き合い方を知っています。私が彼の立場だったら、私には彼の強さは無かったでしょう。彼はいつも前向きで、支えを必要とする人を助けるということは私にとって驚きです。
 私は、ゲンは中沢先生を表しており、原爆投下された時、同じ悲劇的な時間を経験してきたことを知っています。 先生は原爆の影響を乗り越えただけではなく、このすばらしい漫画を描いてくれました。その勇気と強さを私は高く評価します。この本は戦争がどんなにひどいものであり、無辜の人々がどのように殺されていったか教えてくれます。私はもちろんその当時日本にいたわけではありませんし、日本人でもありませんが、この本を読むことにより、当時日本の人たちが感じていたりしていたことを同じように感じることができました。私はこの本に感動しました。
 実際に起こった話を漫画化したものを私は始めて読みました。このような大惨事について読む時、漫画で読むのは読みやすいです。普通の物語と同じように強い衝撃を受けましたが、それでも難なく読むことができました。特に子供や10代の少年たちにとって、良い方法だと思います。
辛いことはいつでも起きます。いつかすべてが良くなるように私たちは強くなり、また希望を持つ必要があります。原爆は恐ろしい話です。そして先生は私たちよりもそのことをよく知っています。家族、家、土地、動物を破壊しました。日本の夢や、未来を信じることを打ちのめしました。幸い先生は生き残りました。家族を失うという世の中で最悪のことで苦しみましたが、中沢先生は本を通して、人生のすべての瞬間に感謝し、持っているものすべてを大切にする方法を人々に教えてくれます。明日何が起きるか誰も知りません。それゆえ友達、家族がいることを喜び、他人に寛大になり、偏見を持たないようにしたいものです。こうしたことはこの本が取り上げている一部でもあります。書き続けてくださるようお願いいたします。   P. A. 


 2007年6月6日
親愛なる中沢先生

 私は”はだしのゲン“4巻を読みました。衝撃的でした。ゲンを読む前に原子爆弾でどれほど多くの人が死んだのかは知っていました。しかし戦争がどんなに残酷なものかは理解していませんでした。私は普通の文章で戦争について読みましたが、あなたの本は私の気持ちを変えました。
 私は中国人です。第二次世界大戦の時、日本は中国を侵略しました。私も入れて多くの中国人が日本政府を憎みました。日本に原爆が投下され何万の人が死んだことを始めて聞いた時、良かったと思い、復讐心でいっぱいでした。しかしあなたの本はすべての日本人が戦争を支持していなかったことを教えてくれました。戦争に反対した日本人がいました。日本人も又、正常な人たちです。私は人々の恐ろしい傷と被害を見た時、恐怖を感じました。素晴らしいと感じると思っていたのですが、そうではありませんでした。原爆投下された場所まるで地獄のようで、火事と死んでいく人たちであふれていました。苦しみは戦争のせいであり、1つの国、又はある種の人々のせいではありません。
 恐ろしい事は原爆投下では終わらなかったのです。原爆後の生活はひどいものでした。ゲンの家族は新しい所に行き、そこに住もうとしましたが、誰も彼らを受け入れませんでした。他人は原爆ではなく彼らを責めました。それは人間の暗い部分です。自分のことしか考えない人がいるのです。
 ゲンは小さな少年ですが、こうしたひどい経験を経なくてはなりませんでした。彼は父、弟、姉を原爆で亡くしました。それはすべて戦争のせいです。しかしゲンはくじけませんでした。彼は麦のように強く育ちました。
 ゲンを読み続けるつもりです。私はあなたの作品から多くのことを学んだのでもっと作品を読みたいです。
 敬具   E・O


   2007年6月6日
親愛なる中沢先生

 こんにちは、中沢先生。私は韓国人で、ニューヨークのS高校で英語を学んでいます。“はだしのゲン”の漫画の読者としてこの手紙を書いています。私は英語の先生のシャッツマン先生と“はだしのゲン” 4巻を読みました。最初から私は本当にこの本を興味深く読みました。こんなすばらしい文学を出版してくださって感謝しています。
 はだしのゲンの登場人物の中で、私は朴さんがとても好きです。彼が直面している状況は、私の出身国が韓国であることから、理解できます。私はこの大惨事と人々の苦しみについていろいろと聞き及んでいます。私の両親と祖父母の世代は実際にこうしたことを経験しました。この本を読んでいる間、私は人間の貪欲さとそれゆえの戦争についていろいろ考えました。私は韓国人の悲しい歴史と戦争の残酷さを知っています。戦争という惨事の起こった時代に苦しんできたすべての人たちを本当にかわいそうに思います。
 “はだしのゲン”は原爆が広島に落ちたせいで一般の人の辛さ、悲しみについて描かれています。この漫画の一部は状況をよく描いていて私に訴えかけるものがあります。ひどいやけどと放射能の後遺症は本当に恐ろしいものです。歴史の授業から思い出すことがありますが、多くの国は自国の利益を望み、他国のことを気にかけることはありませんでした。自己中心の気持ちが核兵器の開発を引き起こしました。
 はだしのゲンは戦争の悲惨の状況と後遺症について描かれていますが、人間の本質を私たちに教えてくださって、とても感銘を与える文学です。ゲンと他の人たちは愛する人のためにいつも犠牲を払っています。互いを思いやっています。この物語のこうした箇所が読者の胸を打ちます。ゲンは意思の強い少年です。原爆から生き残り、放射能による病気を乗り越え、人々に希望を与えます。彼は人々をとても感動させます。誠実な心はいつも人の狭量な気持ちに感銘を与えます。
 もう一度言いますが、私はこの本を本当に楽しみ味わわせていただきました。4巻読みましたが、他の巻がなるべく早く出版され、読むことができるようになることを願っています。ありがとう。R.


 親愛なる中沢さん&プロジェクト・ゲン
 私はSといいます。来学期は8年生になります。
 私の母は広島県尾道市で生まれました。私はこれまで<はだしのゲン>の1巻から8巻まで読んでいます。私の心ににじみでるゲンの悲しみ、ひたむきさ、はつらつとしたイメージが実話であるということに驚き、深く印象付けられました。
 私はゲンと隆太とゲンのお母さんが表現している主題についてお話したいと思います。 ゲンは強さと正義を、一方隆太は復讐と抑制の効かないものとして表現されています。 ゲンのお母さんは信頼と誇りの高い人として表現されていると思います。
 私はこの本を読んだどんな親たちも、自分の子供がこのグロテスクな部分が誇張でないことを知ってほしいと思うように願っています。又、多分これは自分の子供達にとって強烈過ぎると考えるのではなく、正に戦争の事実を示している、と理解してほしい。私はこれがよくわかります。皆さんは大変良いことをされたと思います。この本を読んだ多くの人々は奮い立たされます。
 8巻を読んだあと、私はこのメッセージを広めようと計画しています。そして1巻を私の学校の図書館に寄贈する積もりです。
 手紙を読んでくださって有難うございます。 S.F. 
 

  Pさんからの手紙
 私の町の図書館で「はだしのゲン」の1巻から4巻を読みました。原子爆弾は決して再び使われてはならないと言うのに同感です。特に罪もない一般の人には使われてはなりません。そのためには「はだしのゲン」を一般の人々が読むことができる以上に多くのことをプロジェクトゲンはしなくてはいけません。この本はイランと北朝鮮のリーダーに直接送るべきです!それと、そのリーダーたちが読めるように翻訳してください。さらに、この本はイランと北朝鮮の各施設の管理者にも送るべきです。
 特にこの管理者たちと世界のリーダーたちは「ゲン」を読む必要があります。結局のところ、彼らは私たち両国に原爆の脅威を引き起こした権力者たちなのです。
 この本は過去に起こった悲劇を止めることはできませんが、多分将来苦しみを止められるかもしれません。
 お返事ください。また、これからしようとしていることを教えてください。   P.Z.


 女性20歳、キエフ 「はだしのゲンを読んで」
 まんが『はだしのゲン』を入手した時、私はこの本からは感動を得たり、1945年の日本での出来事を見直すことなど期待していませんでした。
 わが国ではまんがは子供達の文学であり、大人には真面目に受け入れられないものとされています。
『はだしのゲン』を見せた私の数人の友達は「このような残酷な絵は子供の心に悪影響をあたえる。」と言いました。でも私はそうではない、と思います。
 はだしのゲンの人生を描いたこの物語は単なる日本の歴史ではなく、世界史の暗黒の部分であり、私達はそれを世界支配のために戦う人間の残酷かつ貪欲な欲望の証言者として恥じなければなりません。
 これは単に現在なお原爆投下の恐ろしい結末を体験している日本の人々の苦しみを描いているだけではありません。これは改めることの出来ない過ちについての全人類の嘆きであり、絵のように美しい場所の一つにつけられた、癒されることのない傷を持つ地球のうめきです。
 しかしながら私達はこれらの暗黒のページを歴史から忘れ去ったり、しわくちゃにして破り捨てる権利を持ってはいません。
 私達のみならず、私達の子孫が核戦争のこれ以上にない恐怖を体験しないために、今私達のしなければならないことはこの悲劇の記憶を世代から世代に伝えていくことです。
 中沢啓治さんはこのための最上の方法を見つけました。彼は自らの記憶を描いたのです。
 ええ、まんが『はだしのゲン』を精神的に受け入れることは大変難しいことですし、絵にショックを受け、本を読みながら泣いてしまいます。それは心の中に深い傷痕を残しながら記憶の中に深く食いつきます。しかしながらこの代償によってのみ人々の心に戦争への嫌悪の念を育てることが出来ます。
 でも『はだしのゲン』は広島の原爆投下を語っているだけではありません。
 この物語の最も大切なことは、主人公の小さな少年ゲンを例にして、いかにしてこのような苦しみに耐えることが出来るか、恐怖と絶望に打ち勝ち、人々に対する善意を持ちつづけることが出来るか、冷酷にならないでおれるか、いかに自己の力の中に人生を喜ぶ能力を見つけることが出来るかを教えています。
 何よりも命を愛すること!
 精神的に弱い私達の世代にとってこの少年は見習うべきこの上ないお手本です。
 親達は『はだしのゲン』を子供達に読ませることを恐れるべきではありませんし、自らこの少年の物語を知る義務を負っています。
 私や私の未来の子供たちにとってこの本は精神的力を養う一部となることでしょう。
 私達の未来に関心を寄せてくださったまんが『はだしのゲン』の作者やそれに関わった人達にお礼を申し上げます。心からありがとう!

ウクライナ キエフ 02225 
マヤコフスキー通り 7−B
TEL 534−43−32
代表者 クラシツカヤ タマーラ

  社会組織チェルノブイリ<同郷人>
 本は大変興味深く、特に若い世代には教訓的です。まんがを通じて作者は日本の人達の恐ろしい悲劇、即ち広島の原爆投下について物語っています。
 この恐ろしい悲劇はまんがのページの上に移されました。若い人達はもう無味乾燥な歴史の教科書からではなく、目撃者の記憶で描かれた絵からおぞましい日々を見、そして肌で理解しました。チェルノブイリと広島 ― 全人類の歴史の恐ろしい教訓です。
 このような悲劇を決して繰返してはなりません。私達読者はこのように思っています。

  カリニングラード第2中学校国際友好クラブ
 私たちは『はだしのゲン』を読み終えて話し合いました。このような本は必要なものでありよく理解することが出来ます。この本の絵や内容はゲンバクのさまざまな問題やその被害を伝えています。この本を読みながら恐怖に満ちた当時のゲンやその家族のみならず全ての人々の命のことを肌で感じました。

 ユガ・ザーパド劇場  ベリャコービッチ・ヴァレーリィ
 すばらしい本です。時宜をえており、分かりやすいです。団員達は喜んで読みました。

 イーゴリ  31歳、クラスノヤルスク市
 私にとって『はだしのゲン』は普通の本ではありません。というのは、白血病を患っている広島の僕の友達からこの本の3巻までが送られてきたのですから。
 私はいつもこの友達のことを考えていました。ですから絵の中の主人公の苦しみを痛切に感じながらこの本を読みました。私はこの本に描かれている出来事が距離を越え、時間を越えて身近に感じられました。
 私は二度広島を訪れ、二度平和公園に行きました。町の外観はすっかり変わったものの、私には56年前のこの地での地獄を想像し、友達の顔を思い出ださせるそのはだしの少年に思いをはせることは難しいことではありませんでした。

 オーリャ 21歳 クラスノヤルスク市
 『はだしのゲン』は私にとって中沢啓治の初めての作品です。このマンガには多分日本の最も苦しかった時代が明確に描かれていると思います。
 この作品を読み終えると広島と長崎に落とされた原始爆弾の恐ろしさがよりしっかりと意識されます。
 作者はおろかな考えや天皇や神に盲従することがいかに罪のない人々を苦しめるか、ということを示したかったのだと思います。 何よりも苦しんだのはゲンの家族に代表されるような平凡な、温和な人々です。これはただ肉体的な損傷というだけでなく、肉親を失った人々の心の中に生涯癒えることのない傷をも残しました。絵と言葉で作者は自分の子供のころの体験を伝えています。主人公と同様、作者は当時の限りない恐怖の中を生き抜きました。
 人々がいかに変わるかということにショックを受け、恐怖を感じます。彼らは野獣になります。
 爆弾は単に彼らの家を破壊したのみならず、やさしさや同情や思いやり、そしてあたたかい心を殺し、野獣の本能だけを残しました。しかしゲンと家族は優しい心を失いませんでした。
 それゆえ腕白少年が私たちの心をひきつけるのかも知れません。
 悲劇から多くの時が流れました。しかし中沢啓治さんのような人々は当時の限りない恐怖を次々と新しい世代に語ることでしょう。『はだしのゲン』はさらに多くの読者を得ることでしょう。